第6章 ・ ゴール

精算表・財務諸表

決算整理を表にまとめ、2つの成績表を完成させる

1精算表とは

試算表に決算整理を加えて、P/LとB/Sを一気に作る下書き表です。第3問の主役。

残高試算表修正記入損益計算書貸借対照表
整理前の残高決算整理仕訳収益・費用資産・負債・純資産

左から右へ、横に足し引きしながら数字を移していきます(8桁精算表)。

記入済みの精算表(第4章の続きの数字)

第4章の試算表(現金120,000・仕入30,000・資本金100,000・売上50,000)を、そのまま精算表に流し込むとこうなります。今回は決算整理なしの簡単版。

🧾 精算表(簡易版)
勘定科目試算表損益計算書(P/L)貸借対照表(B/S)
借方貸方借方貸方借方貸方
現金120,000120,000
仕入30,00030,000
資本金100,000100,000
売上50,00050,000
当期純利益20,00020,000
合計150,000150,00050,00050,000120,000120,000
🔎
横に追ってみてください。「現金」は資産だからB/Sの借方へ、「売上」は収益だからP/Lの貸方へ…と、科目ごとに右の正しい欄へ引っ越すだけ。最後に当期純利益20,000(売上50,000−仕入30,000)を差額として書き込むと、P/LもB/Sも左右が一致します。

2作成の手順(4ステップ)

✏️
STEP1
決算整理仕訳を「修正記入」欄に書く
STEP2
各行を横に集計(試算表±修正記入)
↔️
STEP3
収益・費用→P/L欄/資産・負債・純資産→B/S欄
⚖️
STEP4
差額=当期純利益を求め左右一致を確認
🎯
どの科目がP/Lか B/Sか迷ったら5要素で判断。収益・費用→P/L、資産・負債・純資産→B/S。第1章が効いてきます。

3当期純利益はどこに出る?

損益計算書(P/L)
費用
当期純利益
収益
貸借対照表(B/S)
資産
負債
純資産
当期純利益
💰
当期純利益は、P/Lでは借方(費用側)に、B/Sでは貸方(純資産側)に現れます。利益はその年の純資産の増加だからです。

完成した財務諸表(第4章の続きの数字)

精算表のP/L欄・B/S欄をそのまま清書すると、2つの成績表になります。同じ当期純利益20,000が両方に出ているのがポイント。

損益計算書(P/L)
仕入(売上原価)30,000
当期純利益20,000
売上50,000
合計50,000
貸借対照表(B/S)
現金120,000
資本金100,000
当期純利益20,000
合計120,000
💡 P/Lは「売上50,000 − 費用30,000 = もうけ20,000」を示す表。B/Sは「資産120,000 = 元手100,000 + もうけ20,000」を示す表。利益が両者をつなぎます。

4帳簿の締切(損益勘定への振替)

精算表とは別に、帳簿の上でも利益を確定させます。「損益」という集計専用の勘定に収益・費用を全部集めるのがポイント(第2問で頻出)。

🟠
STEP1
収益の残高を損益の貸方へ振替
🟣
STEP2
費用の残高を損益の借方へ振替
💰
STEP3
差額(利益)を繰越利益剰余金へ振替

第4章の続きの数字で見る決算振替仕訳

借方貸方
売上 50,000損益 50,000
収益を損益へ
損益 30,000仕入 30,000
費用を損益へ
損益 20,000繰越利益剰余金 20,000
利益を純資産へ
損益
借方仕入 30,000
繰越利益剰余金 20,000
貸方売上 50,000
左右50,000で一致 → 締切完了
📦
損益勘定は「利益を計算する一時的な集計箱」。全収益と全費用を集めて差額(当期純利益20,000)を出し、繰越利益剰余金(純資産)へ渡して空になります。この20,000が、第3章で見た配当の原資になります。

5仕上げの心得

⏱️ 第3問は時間がかかります。決算整理仕訳を先に全部書き出してから、精算表へ転記すると速くて正確。
⚠️ よくあるミス:減価償却累計額や貸倒引当金は「資産のマイナス」なのでB/Sの貸方側。前払・未収は資産、前受・未払は負債。配置を間違えないこと。

6理解度チェック

Q1. 「売上」は精算表のどの欄に集計される?
Q2. 当期純利益はB/Sのどこに出る?
Q3. 「前払費用」はどの欄?
Q4. 損益勘定で計算した当期純利益はどの勘定へ振り替える?

7全体のまとめ 🎓

簿記3級の全体像(6章まとめ)

① 5要素とホームポジション(第1章)が全ての土台。

② 仕訳でその日の取引を記録(第2・3章)。

③ 試算表で集計を検算(第4章)。

④ 決算整理で数字を正しく直し(第5章)、精算表でP/L・B/Sを完成(第6章)。

この流れが「簿記一巡」。あとは問題演習で手を慣らせば合格圏です!

🚀
次のアクション:各章を読んだら、Ankiで暗記を固め、「仕訳ドリル出して」で実際に解いてみましょう。間違えた論点は間違いノートへ。