第1章

簿記の基礎

「簿記ってなに?」から「仕訳のルール」まで、図でつかむ

1そもそも簿記とは?

簿記とは、会社のお金やモノの動きをルールに沿って記録する技術です。

お小遣い帳は「現金が増えた・減った」だけを書きますが、簿記は「何が原因で」「何がどう動いたか」を2つの面からセットで記録します。これを複式簿記といいます。

💡
複式簿記のイメージ
「現金5,000円で商品を買った」→ ①現金が5,000円減った かつ ②商品(仕入)が5,000円増えた
1つの取引を必ず2つの側面で書く。これが簿記の心臓部です。

1年間の記録を最後にまとめると、2つの成績表ができあがります。それが「財務諸表」です。

2簿記の主役「5つの要素」

勘定科目はすべて、次の5グループのどれかに分類されます。まずこの5色を覚えましょう。

資産
定位置:左
現金・預金・売掛金・建物・備品 など
=持っていると嬉しいもの
負債
定位置:右
借入金・買掛金・未払金 など
=あとで払う義務
純資産
定位置:右
資本金・繰越利益剰余金 など
=資産−負債=正味の財産
収益
定位置:右
売上・受取手数料・受取利息 など
=もうけの源
費用
定位置:左
仕入・給料・支払家賃 など
=もうけるためのコスト
🎨 色で覚えるのが近道。「資産=青」「費用=紫」は、「負債=赤」「純資産=緑」「収益=橙」は。この左右が後で効いてきます。

32つの成績表(財務諸表)

① 貸借対照表(B/S)── 財産の一覧

ある時点で「何を持ち(資産)」「いくら借り(負債)」「正味いくらか(純資産)」を表します。

貸借対照表(B/S)
資産
現金・売掛金・建物…
負債
借入金・買掛金…
純資産
資本金…

左の合計 = 右の合計(必ずバランスする)

② 損益計算書(P/L)── もうけの計算

1年間で「いくら稼ぎ(収益)」「いくら使い(費用)」「いくら儲かったか(利益)」を表します。

損益計算書(P/L)
費用
仕入・給料…
+ 当期純利益
収益
売上・受取利息…

収益 − 費用 = 当期純利益

4最重要!ホームポジション

仕訳では「左(借方)」「右(貸方)」に分けて書きます。各要素には定位置があり、増えたら定位置側、減ったら反対側に書きます。

⬅ 借方(左)が定位置

  • 資産
  • 費用

これらは増えたら左/減ったら右

貸方(右)が定位置 ➡

  • 負債
  • 純資産
  • 収益

これらは増えたら右/減ったら左

🔑
呪文:「資産・費用は左、負債・純資産・収益は右」
これさえ覚えれば、仕訳の左右はほぼ自動で決まります。

例:現金5,000円で商品を仕入れた

借方(左)貸方(右)
仕入 5,000
費用が増えた→左
現金 5,000
資産が減った→右

5理解度チェック

Q1. 「売掛金」は5要素のどれ?
Q2. 「資産」が増えたとき、どちらに書く?
Q3. 「収益・負債・純資産」の定位置は?
Q4. 「現金で給料を支払った」。給料(費用)の増加はどちら?

6この章のまとめ

3行でおさらい

① 簿記は1つの取引を2面(借方・貸方)で記録する。

② すべての科目は資産・負債・純資産・収益・費用の5つに分類。

資産・費用は左負債・純資産・収益は右が定位置。